こんにちは!
フランス在住5年目のレイカです。
オリンピックで歌われるフランスの国歌「ラ・マルセイエーズ(La Marseillaise)」。

そう、ビートルズの「All You Need Is Love」のイントロで使われたりと、なにげに知名度の高い国歌なんですよね。
2018年サッカーワールドカップでフランスが優勝したり、2019年ラグビーW杯ではベスト8に残ったので、試合観戦のたびに無意識で耳にしていたかもしれません。
でも実はめちゃくちゃ残酷な歌詞だって知っていましたか?
日本の国歌にくらべると、フランス国歌「ラ・マルセイエーズ」は元気で勇ましいイメージですよね。
なぜなら、革命で自由を勝ち取った背景をもとにした歌詞だから。
この記事ではラ・マルセイエーズの歌詞の意味や由来、日本人でも簡単に歌えるようにカタカナ表記もあわせてご紹介します。
この記事の内容
- フランス国歌「ラ・マルセイエーズ」の和訳
- 歌詞のフランス語とカタカナ表記
- 歌詞が血なまぐさい由来と歴史
- 雑学になる小ネタ
クリックできる目次
【和訳】フランス国歌「ラ・マルセイエーズ」歌詞の意味と由来
フランス国歌は
「血なまぐさい」
「歌詞がコワイ」
などとして、悪評が高いことでも有名です。
フランス国歌がおそろしい理由は、その歌詞に隠されています。
歌詞の意味【和訳】
以下が「ラ・マルセイエーズ」の日本語和訳です。
どんなに野蛮でコワイ歌詞なのかわかりやすいよう、おどろおどろしい箇所を赤字にしてみました!
祖国の子どもたちよ、栄光の日がやってきた!
我らに向かって、暴君の血塗られた軍旗がかかげられた
血塗られた軍旗がかかげられた
獰猛(どうもう)な兵士たちが、野原でうごめいているのが聞こえるか?子どもや妻たちの首をかっ切るために、
やつらは我々の元へやってきているのだ!武器をとれ、市民たちよ
自らの軍を組織せよ
前進しよう、前進しよう!
我らの田畑に、汚れた血を飲み込ませてやるために!
うーん、確かに”血なまぐさい”歌詞ですよね(汗)
特にこの2つ。
メモ
- 子どもや妻たちの首をかっ切るために
- 我らの田畑に、汚れた血を飲み込ませてやるために!
一体どうしたらこんな残酷な歌詞になってしまうのでしょうか。
残酷な理由は、「ラ・マルセイエーズ」が生まれた由来にあります。
歌詞の由来
「ラ・マルセイエーズ」は、18世紀のフランス革命戦争で士気を上げるために作られた軍隊の曲。
作曲したのはアマチュア音楽家だったクロード隊長。
フランス北東部ストラスブールでの出兵にちなみ、もともとは「ライン軍のための戦いの歌」というタイトルでした。
1795年にフランス国歌として制定されましたが、初代ナポレオン、ルイ18世、ナポレオン3世などはこの国歌斉唱をたびたび禁止にしていたんですね。
でも革命によって自由を勝ち取ったフランスは、最終的に「ラ・マルセイエーズ」を国歌として制定。
第三共和制成立後の1879年にフランス共和国の国歌として制定したのでした。
「ラ・マルセイエーズ」歌詞カタカナ表記とフランス語原文
「ラ・マルセイエーズ」がどんな歌詞なのか聞き取ってみたい
「ラ・マルセイエーズ」を実際に歌えるように
メモ
でご紹介しています。
①「ラ・マルセイエーズ」カタカナ表記
「ラ・マルセイエーズ」
アロンゾンフォン ド ラ パトリ
ルジュール ド グロワール エタリヴェ
コントル ヌ ド ラ ティラニーレトンダール ソングロン エルヴェ
レトンダール ソングロン エルヴェエトンデ ブ ダン レカンパーニュ
ムジー セ フェロス ソルダイル ビエンヌ ジュスク ダン ヴォ ブハ
エゴルジェ ヴォ フィス ヴォ カンパーニュ~以下繰り返し~
オ ザーム シトワイヤン
フォルメ ヴォ バタイヨンマルション マルション
カン ソン アンピュール
アブリューブ ノ シロン
②「ラ・マルセイエーズ」フランス語原文
La Marseillaise:
Allons ! Enfants de la Patrie !
Le jour de gloire est arrivé !
Contre nous de la tyrannie,L'étendard sanglant est levé ! (Bis)
Entendez-vous dans les campagnes
Mugir ces féroces soldats ?
Ils viennent jusque dans vos bras
Égorger vos fils, vos compagnesAux armes, citoyens !
Formez vos bataillons !Marchons, marchons !
Qu'un sang impur...
Abreuve nos sillons !
③Youtubeで実際に聴いてみる
歌詞の意味と、フランス語の歌詞が分かったあとは、実際に歌を聴いてみましょう。
フランス語の勉強にもなります。
小ネタ:ビートルズも引用!?私立暁星中学・高校でも歌ってるって本当?
ビートルズ「All You Need Is Love(オール・ユー・ニード・イズ・ラブ)」で使用
ビートルズの「All You Need Is Love」のイントロで使われたりもしていますよね。
私立「暁星学園」では「ラ・マルセイエーズ」を歌う?
また、東京の私立男子校「暁星学園(幼稚園・小学校・中学・高校まで一貫校)」では、始業式で校歌のほかに「ラ・マルセイエーズ」を歌うそうです。
なぜかというと、暁星はフランス系のミッションスクール。
なので、フランス国歌も学ぶんですね。
国歌だけでなくフランス語も英語にあわせて学ぶので、国際人としての教育の一環として学べるんですね。
フランス現地の子どもたちも「血なまぐさい国歌」を歌う?
フランス現地の公立校でも子どもたちはフランス国歌を学ぶのかというと・・・
実は、フランスの子どもたちは「ラ・マルセイエーズ」を義務教育で学ぶことはありません。
フランスではナショナリズムと「子供の教育」は完全に分かれています。
宗教もキリスト教・イスラム教・ユダヤ教とさまざまな宗教を持つ人種が混在している移民の国。
なので、フランス国歌を教育課程で学ばせることはありません。
まとめ
「ラ・マルセイエーズ」はかなり血なまぐさい、残酷な歌詞でしたね。
たまにオリンピックやワールドカップで「ラ・マルセイエーズ」を歌わない選手もいます。
もしかするとご自身のポリシーに反するから、あえて歌わないという選択をされているのかもしれませんね。