フランス語のonってどういう意味?
使い方も良く分からないなあ
onは難しいよね・・でもよく使うから
ここでしっかり理解してね!
この記事ではフランス語の【on】について解説します。
フランス語の「on」は主語として使用しますが、大きく分けると「私たち」と「他の人」の2つの意味があります。
ただ、「on」の使い方を細かく見ていくと9種類くらいの意味に分けられてしまうので、辞書によって分類方法がまちまちなんですよね。
また、onの動詞活用は三人称で単数形なのでシンプルですが、形容詞は性数一致したりするのでややこしい!
おかげでフランス語初級者だけでなく、中級レベルになっても「このonは誰なんだ?」と頭を抱えることも少なくありません(汗)。
ぜひこの記事でフランス語の「on」について理解していってくださいね。
フランス語onとは|2つの意味と注意点を確認!
- フランス語のonのポイント
- ①:「わたしたちが」という意味の主語(人称代名詞)
②:「ほかの人が」という意味の主語(不定代名詞)
③:主語が単数or複数、女性or男性を把握するため、êtreのうしろは性数一致
④:母音のあとはl’onになる
フランス語のonは、ざっくり大きく分けると「私たちが」という意味と、「ほかの人が」という意味の2種類に分けられます。
そして、どんなときでもフランス語の「on」は、いつも主語として使います。
でもケースバイケースで見ると、「私」という意味もあるし、「彼」とか「あなたたち」という意味にもなるんですよ・・・ええーって感じですよね(笑)。
つまり、ときに「私たち」にもなるし「あの人」にもなるし、「誰か」や「みんな」にもなるという、いろんな人に七変化できる主語なんですよね。
誰にでもなれる主語なんだ!
文脈で推測するしかないのかな?
そうね。初心者だと「そのonは誰なんだー!」と思うけど
誰が主語なのか気にしなくていい主語がonとも言える(笑)
onの使い方には、ある程度決まったかたちがあるので、よく使う表現をあらかじめ押さえておくことと、文脈から推測すればだいたいonが誰を指しているか、分かるようになりますよ。
そしてonの属詞は性数一致するのも重要なポイント!
例文で見たほうが早いので、まず会話でよく使われる代表的な「on」の意味と使い方を見ていきましょう。
人称代名詞onの意味①:私たち(口語表現)
- 人称代名詞としてのonのポイント
- ・Nousの代わりに会話で使用
・主語が単数or複数、女性or男性を把握するため、êtreのうしろは性数一致
フランス語で「私たち」を表す主語は「nous」ですが、口語表現では「nous」の代わりに「on」を使用するのが一般的です。
ふつうのフランス語会話で「nous」を主語にして会話することは、ほとんどありませんね。
nousを主語にした会話はフォーマルな印象を与えるので、フランスに住んで5年以上経ちますが、仕事やニュース、大統領演説などのシチュエーションくらいでしかnousの動詞活用を聞きませんね。
onを「私たち」として使わず、ときに「私」だけのこともあります。
ここを細かく考え出すと結構キリがないんですが(笑)、とくに「私」でも「私たち」でもどっちでも良い場合はonを使うイメージです。
「私たち」としての使い方:On y va!(オニバ)
On y va(オニヴァ)
行きましょう!
「行こうよ」「さあ行きましょう」、疑問形では「もう行かない?」という意味になる「On y va(オニヴァ)」というフランス語の表現。
このonは、nousの代わり、「私たち」として使われていますよ。
「私たち」としての使い方:On est ~.(オンネ ~)
On est au 3 mars.(オンネ オ トロワ マルス)
今日は3月3日です。
「今日は~です」のように、フランス語で日付をあらわすときは「On est +日付」で表します。
この時も、onの主語としての役割は「nous」の代わりです。
「私たち」としての使い方:Qu’est-ce qu’on mange?(ケス コン モンジュ)
Qu’est-ce qu’on mange ce soir?(ケス コン モンジュ スソワー)
今晩(私たちは)何食べるの?
日本語でも「今日の夜ご飯なにー?」と聞くとき、いちいち「私たちは!」と主張しませんよね。
フランスでも同じく、こうした日常会話では私たちという主語としてonを使います。
「私たち」としての使い方:On est prêt.(オンネ プレ)
On est prêt.(オンネ プレ)
準備できたよ
お出かけ前によく使うフレーズ「On est prêt.」は、「(私たちは)準備できました」という意味になります。
そしてêtre動詞なので、言う人が変わると属詞(prêt)が変わります!
- 女性:On est prête.(オンネ プレット)
- 母と娘:On est prêtes.(オンネ プレット)
- 夫婦:On est prêts.(オンネ プレ)
カタカナ発音では厳しいものがありますが、ニュアンスが伝わるでしょうか。
性数一致させることによって、「誰が」の部分をはっきり明確にさせられるので誰が主語なのか、誤解しにくくなるというわけです。
不定代名詞onの意味②:ほかの人
- 不定代名詞としてのonのポイント
- ・意味は「人々は」「誰かが」のいずれか
・être動詞のうしろは数の一致
会話でも書面でも使われる「on」は、不特定の人を主語にした文章で使います。
辞書で見ると「他人」の意味である「on」は何通りも出てくるので混乱しがちなのではないでしょうか。
よく使われるのは、世間一般の「人々みんな」や、不特定の「誰かが」という2つの意味なので、この2通りだけ覚えておけば大丈夫ですよ。
「人々」としての使い方:En France, on aime bien manger.
En France, on aime bien manger.
フランスではみんな食べるのが好きだ
「人々」よりも「みんな」と訳したほうがはまる文章が多いかもしれません。
誰が、というわけではなく世間一般的には、というときに使う主語です。
「人々」としての使い方:On est tous egaux.(オンネ トゥース エゴー)
On est tous egaux.(オンネ トゥース エゴー)
みんな平等である
この「on」を「人々」とするか、「私たち」とするかは微妙なラインですよね。
実際のところ、プチ・ロワイヤルやロベールなどの辞書によると「人々」と解釈された例文として出ています。
まあ「人々みんな」と訳しても、「私たちみんな」と解釈しても、大きく違いはありませんがね。
要注意なのが、属詞は複数になっていることですね。
「人々」としての使い方:On dit que~(オンディ ク)
On dit qu’il est riche.(オンディ キレ リッシュ)
彼ってお金持ちだという噂だよ
「On dit que~」は成句表現になっているので、「人々」とあえて訳さず、「~だという噂だ」と訳すが多いですよね。
でもこれを紐解くと、「人々が+~だと言っている」⇒噂になる
ということなので、不特定の「人々」「みんな」を主語として使っているケースになります。
「誰か」としての使い方:On m’a dit que~(オンマ ディ ク)
On me l’a dit.
誰かからそう聞いたよ
「誰が言ってたか忘れてしまったけど、そう聞いたよ」「誰かがそう言ってたな」という時によく使う表現です。
このときのonは「誰か」という「quelqu’un」の代わり、不定代名詞として使います。
onは母音のあと「l’on」になる
- et
- si
- ou
- qui
- quoi
- que
母音と母音がぶつかるのを避けるために、母音で終わるフランス語のあとにonを使うときは、「l’」をつけて「l’on(ロン)」と発音します。
ただ、次にLの発音が来るなら、今度はLの発音が連続してしまうので、あえて「l’on」にしないこともあります。
どっちやねん
まあ臨機応変ってことで・・・この辺は自分で言えなくても大丈夫。書いたり聞いたりする時に分かってればOKよ
フランス語のon|読み方と発音は「オン」
▲上の動画2分52秒から「on・en・un」の違いを発音してくれています。
■発音
on:オン
フランス語onの読み方はカタカナ発音で「オン」です。
「ン」をしっかり発音せずに軽~く付け足すようにすれば、カタカナ発音の「オン」はリアルなフランス語発音に近いですよ。
フランス語のonについてまとめ
- 常に主語として使う
- 「私たち」という意味と「ほかの人」という意味の2種類ある
- être動詞のときは性数一致に注意
- 母音のあとはl’onにする
英語で習った「on」とは全く違う使い方をするのがフランス語の「on」です。
onは主語として使うこと、いろんな使い方や解釈の仕方があることなどが分かりましたね。
きっと会話で「nous」を駆使すると動詞の活用がややこしくて大変なので、単数形を使用できるonが台頭してきたんでしょうね。
私も普段なにげなく使っていたonですが、改めて辞書を引いてみると結構わかりにくかったので、この記事でonを使いこなせる方が増えたらいいなと思います。
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