「まったくの初心者でもフランス語の勉強ができるインターネットのWEBサイトってありませんか?」とよく聞かれます。
フランスに住んでいると、「スクールに通う時間は無いし、参考書を買いたくても海外に住んでいるのでかんたんに買えない」という人が結構います。
たとえば、赤ちゃんが産まれたばかりとか、急な転勤で引っ越して来られた方とかは、まとまった時間もなく、ほんと大変そうです。
そうした入門者や、初心者にぜひオススメしたいサイトが、東京外国語大学フランス語言語モジュールです。
東京外国語大学フランス語言語モジュールとは?
東京外国語大学が公式HPのなかに作った勉強サイトです。
さすが外語大の作ったホームページなので、フランス語だけでなく他の言語の練習コースあります(ので、寄り道しないよう注意です 笑)。
対象は入門~初級レベルの学習者。
初級が終わった方、中級に向かう方も、ヒアリングやディクテに使えるので、初級が終わって中級にステップアップする前の、総復習にも使えます。
「東京外国語大学フランス語言語モジュール」というと、なにやら名前が堅苦しいというか、勉強サイトっぽい名前じゃないので、はじめはとっつきにくい・・・
ですが、使いこなせるようになると、かゆいところに手が届く作りに感動しますよ。
「モジュールって何?」と思いますが、言葉の意味は深く考えなくてOKです。
「モジュール」というのは「メニュー」とか「コース」「クラス」というふうに置き換えて考えてください。
というわけで、このサイトは4つのモジュール(コース)があります。
- 発音モジュール
- 会話モジュール
- 文法モジュール
- 語彙モジュール
この4項目はフランス語を勉強するうえで必須の項目です。すすめる順番は決まっていませんが、左サイドのメニューに沿って進んでいけば、気づいたらフランス語を読み書きできるようになる、という仕組みになっているので、好きなところから始めてください。
個人的には東京外大フランス語言語モジュールのイチオシは会話モジュール。
なので、会話モジュールから始めるといいかなと思います。
まずひとつずつ見ていきましょう。
発音モジュールの使い方
発音モジュールの実践編では、フランス語の発音がワンクリックで学べます。
動画で音声を聴きながら、口の動きをゆっくり確認できます。
青く下線が引いてある文章は、クリックできて音声が聴けます。ひととおり勉強したら「進む」ボタンを押して、どんどん進みましょう。
なお、発音モジュールの理論編は、本当に「理論」なので、ここを理解したからといって決してフランス語を話せるようにはなりません。フランス語や言語学を研究するのでなければ、飛ばしても構いません。
会話モジュールの使い方
教室用フランス語の画面
会話モジュールの「教室用フランス語」の項目では、フランス語ネイティブの会話をスクリプト付きで聞くことができます。この会話の動画は1分もしない短い会話ですが、日本語訳とフランス語のスクリプトが付いていて、どちらも消して非表示にできるので、力試しにとても便利な構成になっています。
右側にあるスクリプトが・・・・
消せるのでヒアリングの勉強に最適です。
- はじめはスクリプト入れた状態で会話を聞いて、分からない単語や表現などをメモしておく
- 知らなかった単語や表現を辞書などを見てしらべる
- もういちど会話を聞く。スクリプトを非表示にして、文章なしでも内容が聞き取れるか確認する
- 耳から聞いたものを文字起こしする(ディクテ)
会話の内容自体は短いですが、日常的にとてもよく使う表現ばかり。
スピードはそんなに早くないので、初心者の方にピッタリな練習材料です。
例文は全部で40個載っていますので、一日ひとつずつ会話を勉強するとしても、1ヶ月半もあれば終わります。
また、ケベックのフランス語やスイス、南仏のフランス語といった、なまりのあるフランス語の会話も聞くことができて、これは結構珍しいので面白い試みですよね。
もし南仏に旅行に行きたいという方がいるなら、パリのフランス語学んでもうまく聞き取れませんので、むしろ南仏のフランス語の会話の動画をよく見ておくといいですよ。
学習者用の画面
会話モジュールの「学習者用」という項目もあります。こちらは、Newのほうをひらきましょう。より見やすい画面になっています。
学習者用のボタンを押すと、
- ロールプレイ
- 音読
- ディクテーション
- コピーイング(書き写し)
といった、4つの学習方法で勉強できるようになっています。
例えばコーピングだと、まず会話の文章(フランス語)が出てきます。
画面下にある語彙のボタンを押すと、語彙のリストが表示されます。
さらには、単語を書き写すページがあったり、例文を覚えて書き写すページもあるので、とても勉強しやすい!
表示ボタンを押すと、表示されている文字が消えるので、まるで赤い下敷きみたいな効果がありますね(今でもあるのかな?)。
文法モジュールの使い方
文法モジュールでは、読み書きや、会話、初歩的な文法などが勉強できます。
こちらは目的にあわせてどれぐらい勉強するかというのを、左側のメニューから選んで決められます。
たとえば、基礎からしっかり勉強したい方は、22週間で文法モジュールを隅から隅まで勉強するメニューがでてきますし、文法は苦手という方にはどんな感じなのかさわりだけ学べる「フランス語に触れる」という簡単バージョンメニュー(画像上)も用意されています。
入門者にはとてもオススメですね。
語彙モジュールの使い方
語彙モジュールでは700~900語が収録されているそうです。場面によって使う語彙を勉強することができます。
この語彙モジュールでもただ単語の丸暗記だけではなく、例文が一緒に載っているので、どのような使われ方をして、文章に組み込まれるのかを学べます。とても分かりやすいですね。
しかも例文の発音も載っていますし、MP3なのでマメな人はダウンロードすることもできます!
良い点・悪い点
良い点は以下の3つ。
- 文字が大きい
- 初心者におすすめの基礎レベル
- 無料で学べる
この言語モジュールは、まず文字が大きいのでとても見やすい!
基礎的な内容がすべて網羅されてるので、初心者の人にお勧めです。
しかも完全無料なところが素晴らしいですよね。
が、やっぱりデメリットもあります。
それは、この3つだと感じました。
- 動詞の活用については説明が少ない
- 達成感が得にくい
- パソコンの前にずっと張り付いていないと勉強ができない
達成感が本より得にくいというのは、どこからどこまでを勉強したかが体感的に把握できないのです。
参考書なら、とりあえず最後まで読めば「読み切った!」というやりきった感を得られますが、インターネット上だと、今日はこのページまで勉強した、と細かくメモしておかないと、どこまで勉強したかわかりません。
また、何を間違えたか、何がわからなかったか、という記録に残しにくいので、頭に残りにくいということも挙げられます。
このサイトで勉強するなら、「間違いノート」を別途作成して、何につまずいたか、例文などと共にメモしておくといいでしょう。
次に、パソコンの前に張り付いていないと、という点では、タブレットならいいじゃないかと思いますが、タブレットと参考書、どちらが便利でしょう。
参考書なら薄くて軽くて内容がしっかりしたものがありますし、パッといつでも開けて、パッといつでも仕舞えます。
参考書の気になる部分に下線を引いたり、付箋をつけておくこともできますね。
オンライン上というのは、発音がすぐ確認できるというところがメリットですが、体系的に勉強しようとするなら、パソコンの前にいる時間を作らないといけませんし、タブレットなら他のアプリの誘惑に負けないようにコツコツ勉強していかないといけない苦しさがあります。
タブレットやPCはパッと見ても1ページですが、参考書は見開き2ページ。
目に入ってくる情報量も参考書に軍配が上がります。
このサイトは、おもに発音や会話表現を補うためや、参考書を見ても分からなかった部分を復習したり、フランス語検定前の総ざらいとして使っていくといいのではないでしょうか。