とにかく黙って音読しなさい、ひたすら朗読しなさい
これは、日本の同時通訳の草分け的存在である國弘正雄先生が推奨していた「只管音読(しかんおんどく)」です。
外国語を身につけるためには、声を出し、反復して音読することがもっともお金がかからない勉強方法なんだということです。
この記事では「只管音読」について解説していきます!
只管音読(しかんおんどく)をフランス語でやる方法
- 1日数分の音読をひたすら継続する
- ひとつの教材の音読を完璧にする
- 教材が音読できるくらいマスターできたら次へいく
只管音読の方法はとてもシンプルです。
難しすぎないフランス語の文章を、ただひすら音読していく。
これだけです。
只管音読の回数は、500回~1000回という回数が目安です。
ひえ~!音読1000回もするの?
そうなの、大量に音読するのがコツだよ
只管音読のポイントは、難しすぎない教材を選ぶということ。
そして、ぶつ切りのフレーズではなくて、ストーリーがある文章を選ぶということです。
初心者におすすめなのはNHKラジオ「まいにちフランス語」やNHKテレビ「旅するためのフランス語」の教材が手に入れやすく、価格も安いですよね。
教材はコロコロ次々に変えていくのではなく、繰り返し同じものを音読することがコツです。
なお、ル・モンドのような新聞の場合は、テーマが専門的になりすぎたり、語彙や文法的に難易度が高いため、初中級者の音読には向きません。
フランス語新聞の音読は、上級者以上のになってから挑戦しましょう。
そして、丸暗記しなくても心配いりません。
ペンキを薄く塗り重ねていくように、「何回も音読していると、結果的に諳んじてフランス語が口から出てくるようになった」という状態が理想です。
只管音読のメリット
- お金がかからない
- いつでもどこでもできる
- 年齢制限なし
只管音読のメリットは、お金をかけることなく、いつでもどこでも訓練できることです。
本当にフランス語を喋れるようになりたいなら、単語や短いフレーズを単品で暗記してもムダです。
なぜなら、使う場面が分からなければ、その暗記の努力は無用の長物なんですよね・・・。
えーと、あの単語、なんて言うんだっけな?
せっかく暗記した単語やフレーズ、それがどんな文脈で使われるのか分からなければ、会話のなかでとっさに使えるわけがありません。
現地の子供は、実際に生活や会話のなかでたくさん失敗しながらフランス語を学んでいきますよね。
「見えない」「聞こえない」「話せない」の三重苦だったヘレン・ケラーも、英語の「water(水)」を「井戸の水を実際に触って」体験しながら学んで行ったわけで、五感を使った感覚でとらえた事象(もの・状況・感情etc.)を言語に置き換え、脳の引き出しに入れていったのです。
ですが、フランスで育っていない大人(=わたしたちフランス語学習者)は、フランス語を感覚としてとらえることが難しい。
そこで、フランス語の文脈を一から理解しながらフランス語を学ぶことが結局のところ効率が良いのです。
音読1000回など、時間はかかりますし地味です。
が、自分でフランス語を発音し、自分の耳でフランス語を聞き、まるっと感覚で意味をとらえる必要があるのです。
只管音読の効果
只管音読を実践して効果を実感している方は多いです。
主に英語学習者の方のツイートですが、貼っておきますね。
私も國弘正雄先生の影響で高校生の頃から只管音読をしており、明らかに脳のスペックが上がりました!今でも習慣化していますhttps://t.co/QoFrmgs8jd
— Astral (@Astral88922435) April 29, 2022
英語クラスタのみなさんのツイートを拝見していると、いわゆる英会話の勉強に、只管朗読(ただひたすら音読する。→お手本の音声に忠実に読むんですよ、念のため)や只管筆写(ただひたすら書き写す)の伝統がしっかり息づいていることがわかります。
— 横山雅彦/Masahiko YOKOYAMA (@strong_logic) April 29, 2022
只管音読のまとめ
只管音読は英語だけでなくフランス語学習でも非常に有用で王道といえる学習方法です。
とはいえ、まったくの初心者の場合はフランス語の正しい発音方法が分かりませんので、入門時にはネイティブの音声をしっかり学ぶ必要があります。
間違った発音のまま独学を続けていても、時間の無駄ですし、あとから修正するのは大変ですからね。
只管音読をするなら、ネイティブ音声とテキストがある教材で訓練するか、ネイティブ教師にフィードバックをもらうのが寄り道をせずにすむのでおすすめです。