ちょっと!欧明社が閉店だって!
東京の飯田橋にあったフランス語書籍専門店「欧明社」が2022年2月末を持って閉店しました。
2022年2月末をもって閉店いたします。
長い間の皆様のご愛顧に感謝いたします。
欧明社HP(現在は閉鎖済)
欧明社閉店の主な理由は、フランス語教材需要の減少とコロナによる影響だそうです。
今は電子書籍も多く、Kindleや楽天Koboで本を読むことも多いですし、Audibleのように耳から聞くコンテンツも豊富ですもんね・・・。
この記事では、欧明社が閉店に至った原因や、欧明社閉店の知らせを聞いた世間の声をまとめています。
フランス語の洋書を探している方は、東京でフランス語書籍が買える場所をご紹介していますのでぜひそちらも併せてご参考にしてください。
欧明社閉店の理由は大学授業オンライン化やフランス語学習者減少
欧明社閉店の原因は大きく分けて3つあります。
欧明社の奥山社長自身が述べている閉店の理由は以下の2点です。
- 大学授業のオンライン化が進んだから
- フランス語学習者が減少していたから
また、ほかにも考えられる閉店の理由がありますので見ていきましょう!
欧明社閉店の理由①大学授業のオンライン化が進んだから
新型コロナの感染拡大に伴って大学授業のオンライン化が進んだ影響で、主力の語学教材の売り上げが減少、経営が悪化する前に閉店を決めた
ヤフーニュース
なぜ欧明社が2022年新年早々に閉店のニュースを発表したのか、それは新型コロナの感染拡大が収束しなかったからです。
2021年後半には終息するかと思われていた新型コロナですが、2022年にはまた新しい種類も出てきており、各大学の対面授業がいっこうに始まらないため、書籍としての教材の売上が低迷したことが原因のようです。
大学は対面授業を再開してほしいよね
欧明社閉店の理由②フランス語学地方の方に習者が減少していたから
欧明社店主の奥山由紀夫さん(69)は「長い間のご愛顧に感謝している。フランス語学習者が年々減少していた上、コロナの影響が大きかった」と説明している。
ヤフーニュース
欧明社は1947年創業なので、戦後に比べるとたしかにフランス語学習者は減少しているのかもしれません。
戦後から1970年代はフランス文学(サルトル・ボーヴォワール・プルースト・カミュなど)やフランス映画が全盛期!
一種のブームだったこともあって、現在よりもフランスへの注目度も高かったのだと思われます。
また、日本人の人口が減少していくことや、電子書籍の台頭、英語の重要性が増す国際社会、ユーロ高で輸入難、フランス人留学生の減少などに加え、昨今のコロナが大打撃を加えたのかもしれません。
欧明社閉店の理由③ユーロ高、書籍の高騰など物価の変動
黄金時代はいつか終わり、それが元通りになることはない。
— 彗星読書倶楽部 (@suiseibookclub) January 29, 2022
今回は、コロナ・ユーロ高・フランス人留学生減少etcが積み重なったと欧明社の奥山さんは証言する。
でももうひとつ、日本の学生が貧乏で、映画にも書籍にも金を出せなくなった事が大きい。
フランス文学黄金期とは物価が違う。 https://t.co/1hTNDk7b5u
上のTwitter投稿主さんの意見もそのとおりで、現代と昔では物価が違うということも大きな要因かもしれません。
ユーロ高なので輸入しても利益が薄いこと、そして日本での物価が上がっていること。
だって40~50年前に一番安い娯楽は読書でしたからね・・・。
そもそも個人で営業している書店はみんな不況だもんね。
時代の移り変わりとはいえ、悲しい・・他のみんなは欧明社閉店のニュースを聞いてどう感じたんだろう?
欧明社の閉店のニュースを聞いた人々の声まとめ
欧明社の閉店に関しては、フランス愛好者やフランス語学習者だけでなく、出版業界や翻訳業界、音楽関係者などさまざまな方面から惜別の声が多く挙がりました。
「地球の歩き方」編集部スタッフが閉店前に駆けつけたという声
2月末で残念ながら閉店する🥲欧明社さんでお買い物してきました。フランス🇫🇷関連の書籍専門店ですが、日本語の本や素敵なグリーティングカードもありますよ😌書籍の一部はセールになっています。 pic.twitter.com/tE3TyuNcbJ
— OfficeGUIA (@Office_GUIA) January 25, 2022
オフィス・ギアさんは『地球の歩き方 フランス』など、フランスのガイドブックや書籍を制作している編集プロダクションです。
きっと欧明社閉店前にご挨拶も兼ねて書籍を購入されたのでしょうね。
欧明社閉店前に何度も訪れ書籍を購入されたフランス愛好者
今週も欧明社で爆買い。店内は身動き取るのが難しいくらいにお客さんがいっぱい。
— のん Marianne Renoir (@nontage) January 29, 2022
もっと早く何か出来なかったかなあ。この場所が無くなるのは、悲しいを通り越して本当にしんどい。 pic.twitter.com/FvPgqzYJRR
「今週も爆買い」とのことで、閉店のお知らせを受けたあとに欧明社を何度か訪れている方が多いようです。
店内は欧明社ファンの方で大混雑だったようです。
フランス滞在歴のある音楽業界の方も閉店前に来訪
娘のお伴で欧明社さんへ。フランスから帰国して、ときどき無性に恋しくなるフランスの香りを求めてお邪魔しました。いつうかがっても、オンラインショップであっても、ご親切な応対で、購入した書籍をより大切にしたいと思ったものです。これまでどうもありがとうございました🇫🇷 #欧明社 pic.twitter.com/6JerXtMnNg
— 緒方英子 (@eikoogata) January 29, 2022
フランス滞在歴がある方は「日本にいてもフランスの雰囲気を味わいたい」という理由で欧明社に訪れて居た人も多いようですね。
フランス好きのパワースポット的存在がなくなってしまうのは本当に悲しいですよね・・・。
村上靖彦大学教授は「フランス文化の地位が下がった」とコメント
リベラシオン誌が岩波ホールの閉館を惜別している。とともに欧明社の閉店でフランス文学が日本で忘れられていっている現状にも触れている。
— 村上靖彦『子どもたちがつくる町』『交わらないリズム』『ケアとは何か』 (@yasuhikomurakam) January 25, 2022
たしかに僕が学生だった30年前からみてもフランス文化の地位は大きく下がってしまった。 https://t.co/ns813HPMKw
村上靖彦氏はパリ第7大学で基礎精神病理学・精神分析学の博士号を取得し、専門の著書も多数ある大阪大学教授です。
リベラシオン紙による欧明社取材記事を引用し「30年前と比べてフランス文化の地位が下がっている」とのコメントを出されました。
たしかに30年前である1990年代では、現在と比べて中国・韓国・インドなどのアジア諸国が注目されることはあまりなく、フランス文化の地位は今より高かったかもしれません。
カリン西村さんによるフランス新聞リベラシオンでも欧明社閉店について特集掲載
🇫🇷 x 🇯🇵 À Tokyo, le mythique cinéma Iwanami Hall et la librairie francophone Omeisha vont mettre la clé sous la porte. La fin d’un certain rayonnement culturel de la France au Japon. Par @karyn_nishi https://t.co/kjQoaOtKTx
— Libération (@libe) January 25, 2022
こちらが欧明社閉店に関するリベラシオン紙取材記事です。
写真左側が「欧明社」と奥山社長、右側は1968年設立の東京・神保町にあったミニシアター「岩波ホール」と支配人です。
執筆者はじゃんぽ~る西さんの奥さんであるカリン西村さん。
いずれもエンターテインメント業界はオンラインが充実し、コロナ禍が打撃になったということですね。
店長やスタッフがとても親切だったという口コミ
J’aimais Omeisha, en partie parce que le personnel était avenant et attentionné. Merci pour toute votre aide. 欧明社さんが大好きだった理由はお店の方がとても親切だからというのも大きいです💛本店・アテネ店で色々とお世話になりました‥有難うございました✨ @omeisha1 https://t.co/bw6eC6efDJ
— minoenoena (@minoenoena) January 29, 2022
欧明社は戦後間もなくからスタートしてここまで続いて来れた大きな理由のひとつは、店長をはじめ、スタッフの皆さんがとても親切だったからということ。
かの川端康成も来店したことのある歴史ある場所なだけに、このまま閉店してしまうのが残念でなりません。
雑誌「ふらんす」2022年2月号では欧明社特集を企画
創業75年のフランス語書籍専門店・欧明社さんには大変お世話になりました!感謝の気持ちを込めて、雑誌「ふらんす」2月号では欧明社特集を企画いたしました(1月23日発売)。欧明社さんでは、20日より先行発売していただきます。#欧明社 #ふらんす pic.twitter.com/Dr2DaTSXIo
— webふらんす(白水社) (@webfrance_H) January 17, 2022
【本日発売】『ふらんす2月号』(白水社)2月いっぱいで閉店が予定されている欧明社さんの特集が掲載されています。フランス語の本であればここ、と他の書店にいても思います。児童文学からフランス文学の名作まで、おすすめの本も紹介されています(商品部) pic.twitter.com/W7RP2O4Hzc
— リブロ (@libro_jp) January 24, 2022
白水社から刊行されている雑誌「ふらんす」は、2022年2月号(2022年1月23日発売)で欧明社特集を実施しています。
特集の一部はじゃんぽ~る西さんによる「欧明社の本棚からー原書にチャレンジ」なども!
白水社「ふらんす」 https://t.co/rfaFrmyDLF 2月号発売中。
— じゃんぽ〜る西 (@JP_NISHI) January 28, 2022
特集「欧明社の本棚から─原書にチャレンジ!」
来月2月いっぱいで閉店となる仏語書籍専門の「欧明社」で出会える仏文学、児童書、絵本、漫画、語学参考書等を解説。
社長の奥山さんに伺った75年間の欧明社の歩みも。#欧明社 #ふらんす pic.twitter.com/j0bVuIobgI
「フランス語っぽい日々」はいつもとは趣向を変え「文豪たちが欧明社にやってきた」というお話。
— じゃんぽ〜る西 (@JP_NISHI) January 28, 2022
これは欧明社のレジの上のほうに飾ってあったボードレールやカミュ等の肖像写真を見て着想しました。
先代社長がフランスで入手した貴重な写真だと聞きました。#フランス語っぽい日々 #じゃんぽ〜る西 pic.twitter.com/fAdOCb328B
この「ふらんす」2月号はプレミアがつく予感・・・
欧明社はさいごに閉店セールを実施
ただいま洋書20%セール中@omeisha1
— webふらんす(白水社) (@webfrance_H) January 28, 2022
欧明社の皆さんからメッセージです。「ホームページには載せられていない商品の方が多いので、ぜひ直接掘り出し物を見つけにいらしてください!朗読CDや映画のDVDもまだまだあります」#欧明社 #ふらんす pic.twitter.com/UQDD5fzWe7
欧明社の閉店セールが開催されていたよ
割引率は一部の洋書で20%オフ。
欧明社で最後にフランス語書籍を買いたい人が駆けつけて連日賑わっていたようです。
【閉店】欧明社の所在地・アクセス・営業時間
欧明社は東京に3店舗ありました。
閉店前の住所は以下です。
【閉店】欧明社本店の住所・アクセス
住所 | 東京都千代田区富士見2丁目3−4 |
最寄り駅 | 飯田橋駅から徒歩5分 |
営業時間 | 10h-18h 土曜日のみ10h-17h30 |
定休日 | 日曜 |
【閉店】欧明社リヴゴーシュ店
白水社雑誌『ふらんす』編集部さんの粋なはからいに泣けます(/_;)
— 浜田直樹 (@hawks_love_nh) January 24, 2022
欧明社特集!
じゃんぽ〜る西さん&カリンさん夫妻の連載も欧明社のことを書いてます。
そして嬉しいニュース、リヴゴーシュ店の外観はIF東京の施設として保存されるそうです。#欧明社 #白水社 #雑誌ふらんす pic.twitter.com/qYHzoR5Ml3
アンスティチュ・フランセ東京(旧日仏学院)内の書店「リヴゴーシュ店」はひと足早く、2021年10月31日をもって閉店しました。
が、アンスティチュ・フランセ東京にある外観だけはそのまま残してくれるとのこと!
フランスの雰囲気が残るレトロな外観だったので、外側だけでも取り壊さないで残してくれるのは嬉しいですね。
【閉店】アテネ・フランセ内の欧明社
こちらもすでに2021年10月に閉店しています。
今後どこで購入?フランス語の本を買える東京のお店
ゲーテ書房につぎフランス図書、欧明社も閉店 … もはや英語以外の書籍は、紀伊國屋新宿南店の洋書部と各大学の生協、銀座の教文館、東方書店、ナウカ、イタリア書房くらいでしか入手できない。英語で知れる世界などたかが知れており、日本の〈知〉が瓦解する不吉な前兆だ。https://t.co/iz7joH4knM
— Hiroshi Matsuura (@HiroshiMatsuur2) January 21, 2022
【狂募】クレールフォンテーヌ20×30、でかノート売っているところ。このサイズ欧明社でしか見かけてないんだがなくなっちゃうので買えなくなる。万年筆使いは日本のノート滲むんです。紙質と独特のサイズのみならず表紙のカラーリングと発色が最高なんです、これじゃないと手が禁断症状で震えるんです
— ふくやまん (@mimimadehouichi) January 23, 2022
欧明社が閉店することを受け、フランス語の書籍や文房具を購入できなくなって困る人が続出しています。
フランス語の書籍を購入できるお店は限られますが、ゼロになってしまったわけではありませんのでご安心ください。
上記は一例ですが、東京都内でもオンラインでも、引き続きフランス語書籍を購入することができます。
詳しくは東京都内でフランス語書籍を買える本屋で、場所や営業日をご確認ください。
さいごに:欧明社閉店について
欧明社閉店のニュースはこの記事を書いている筆者にとっても新年早々ショックな出来事でした。
でも、欧明社で過ごした時間や欧明社で購入した本の数々を大事な思い出にして、次に進むしかなさそうです。
不景気とはいえ、全国に30店舗以上ある老舗書店の有隣堂もYouTubeに進出するなど、書店も時代の変化に合わせてさまざまなチャレンジをしているので、顧客も大事にしつつトレンドに乗ることも大事なのでしょうね。
幸いなことに、日本ではフランス語の本を購入できるお店はまだ残っていますし、地方の方にとってはオンライン上の書店が増えればフランス語の洋書を購入できるので嬉しいこと!
フランス語の本を購入できる本屋さんを書店、オンラインと色々試してみてくださいね。